ライフハックブログ

暮らしに役立つライフハック情報を集めたブログ

MENU

福島第一原発の処理水を海洋放出するとどうなる?(ざっくりニュースまとめ)

「明日誰かに話せるニュース」をコンセプトに、ニュースを超かんたんにまとめています。

今回は、福島第一原発の処理水の海洋放出についてです。

  • 原発の処理水とは何か?
  • なぜ処理水を海に捨てようとしているのか?
  • 処理水を海に捨てるとどうなるのか?

ざっくり解説します。

まずはニュース記事の引用です。

東京電力は21日、福島第一原発で準備を進める処理水の海洋放出について、新設する設備の設計や海底トンネルの掘削計画などをまとめた計画書を原子力規制委員会に提出した。2023年春の放出開始に向け、来年6月にも工事を始めるとしている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e9445573e582a313f8e3b7d83b5efd53e0c5f45d

なにやら原発の処理水を海に放出するということらしいですね。
どういうことなのか調べてみました。

処理水とは何か?

まず、福島第一原発の事故で発生した、高濃度の放射線物質を含む水を「汚染水」と言います。

「汚染水」を、ALPSと呼ばれる設備で浄化した水のことを「処理水」と言います。
正式には、「ALPS処理水」と言います。

ALPS処理水

多核種除去設備(ALPS)などを使って「汚染水」からトリチウム以外の放射性物質を規制基準以下まで取り除いたものを「ALPS処理水」という。

東京電力はこの処理水を海に放出しようとしています。

何のために放出するのか?

それは、原発の敷地を確保するためです。
もう少し詳しく解説します。

福島第一原発の敷地内には、ALPS処理水を保管しているタンクが100基以上あります。
福島第一原子力発電所の敷地利用状況

(たくさんある青丸が処理水の保管タンク)

タンクが多い理由は、
雨水や地下水が汚染源に触れることで「汚染水」となり、「ALPS処理水」がどんどん増え続けているからです。

もうこれ以上タンクの容量がない!

ということで、早く海に捨てちゃいたいわけですね。

処理水を海洋放出したい理由まとめ

  • 処理水タンクが増え続けると敷地の確保が大変だから
  • 原発廃炉を進めていくにあたって、更に敷地の確保が必要であるから。
  • 大量の処理水タンクが保管されていること自体に風評被害があるから。

海に放出するとどうなるの?

大きく2つの問題があります。

環境被害

ひとつ目は環境被害です。
海の生き物が死んだり、海産物を食べた人の健康を害したり、といった心配ですね。

経済産業省トリチウム以外の放射物質は基準値以下まで除去してるから大丈夫だよ

と言っています。

除去できないトリチウム

え、トリチウムが除去できないとヤバいんじゃないの?
トリチウムがなんなのかはわかりませんけど?

そんな状態ですね。

トリチウム放射性物質です。
このトリチウムは、ALPSで除去できない物質のようです。

ただし、トリチウムは透過性が弱いので人体に入ることができない
そして、雨水や海水などの自然界に普通に存在する物質です。

よって経済産業省は、トリチウムは自然界に普通に存在するし、海に捨てるときは海水と希釈して捨てるから安全だよと言っています。

風評被害

ふたつめは風評被害の問題です。

処理水が捨てられた海で採れた海産物を、食べたいと思いますか?

安全性に問題がないことがわかっても、万が一のことを考えるとあえてその地域で採れた海産物を選びたくはない。
というのが本音です。

これが風評被害です。

その地域の漁師さんは、海産物への影響、海産物が売れなくなる風評被害を懸念して、この計画に反対しています。

大変難しい問題ですね。

三者にも安全であることを証明してもらう

政府は風評被害の対策として、IAEAに安全であることを証明してもらおうとしています。

国際原子力機関IAEA

原子力分野で協力を進めるための、世界の中心となる機関のこと。

核兵器の拡散を防ぎ、原子力を安全に利用することを目的としている。

本部はオーストリアのウィーンにある。

IAEAに計画の安全性が認められれば、IAEA福島第一原発の処理水の海洋放出が安全であることを世界に発信してくれます。

IAEAにも安全性を証明してもらって、風評被害を抑えようということですね。

中国からの厳しい目も

もう一つ問題としては、

中国が海洋放出をやめろと言ってきています。

IAEAが安全性を認めてくれれば、中国は大人しくなってくれるでしょうか?

こちらの問題も、ややこしそうですね。