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【酷評レビュー】1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き

本屋に並んでいるのを見て、左利きの私は思わずジャケ買いしてしまった加藤俊徳さん著「1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き」

読んでみたら内容は酷いものでした。

あまり悪いものの紹介はしたくありませんが、悪いものは悪いと言うことで、良いものの信憑性も増しますから、今回は思いっきり酷評レビューを書こうと思います。

1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き

本書のここが酷い

  • 周知の事実ばかり
  • 科学的な根拠が示されていない
  • 左利きへの偏見がすごい

酷いところは主にこの3点です。
順番に解説します。

周知の事実ばかり

右手を使うと左脳が鍛えられ、左手を使うと右脳が鍛えられる。
左脳は計算や言語を司る場所で、右脳は写真や絵、イメージを司る場所である。
だから左利きは直感力やひらめき、物事を本質的に捉える力に長けている。

ひと昔前によくテレビで見た内容で、元々知っていました。
本書で語られるのはほぼこの理論がベースとなり、驚くような新しい情報はありませんでした。

科学的な根拠が示されていない

本書は先ほど解説した周知の事実と科学的エビデンスのない著者の経験則によって理論が展開されます。

例えば本書の一部から引用すると

(左利きの人は)「みんなと違う」というコンプレックスから、いつの間にか抜け出していて、「みんなと同じではいけない」意識が強くなり、おのずと独創性を育むと考えられます。

これは左利きの人が「みんなと違う」というコンプレックスを抱えていることを前提に展開された論理です。

決めつけの前提をもとに論理が展開されるので、一つも納得ができません。
少なくとも私は左利きをコンプレックスに感じたことはありませんし、みんなと同じではならないと思ったこともありません。

著者は61歳、昔は「ぎっちょ」という差別用語もあり、左利きが差別的な扱いを受けていた社会で育った人です。

私の65歳の父も左利きで、小学校の頃に左手で字を書いていると、先生から手を叩かれたそうです。

著者が「左利きの人はコンプレックスを抱えている」を前提に話を進めるのは、著者が育った時代背景を考えるとある意味仕方がないとも思えますが、現代人には当てはまらないので、この本自体の存在意義が無くなってしまいます。

左利きへの偏見がすごい

先にも述べたように、著者は「左利きはコンプレックスを抱えている」と思い込んでいます。

そのため左利きに対する偏見が盛りだくさん、左利きの私ですら全く共感できず、勝手なことを言うなと怒りすら覚えるほどでした。

本書からいくつか引用します。

左利きは子どもの頃から、みんなはできているのに「自分は、なんでうまく書けないんだろう」「どうすればきれいに書けるのかな?」と考えて試行錯誤してきた人が多いはずです。

だから左利きの人は人生のあらゆる場面において「自分だけ違うのはなぜなのか」そして「みんなと同じになるにはどうすれば良いか」をさまざまな視点で考え抜いている。

と結論されます。

あなたはそうだったのでしょうが、私はそんなこと考えたこともありません。
主観であり、科学的な根拠がありませんね。


あくまでも私の仮説ですが、左利きの場合、右にあるものは右手でとり、左にあるものは左手で取るクセがあることが少なくありません。

一瞬で効率性のよいほうを選択するという、直感に似た行為を日常的に行っているので、状況に応じた最適解を選ぶという脳の仕組みが左右の手の選択にしみこんでいるのです。

これは仮説と宣言しているだけマシですが、とんでもない仮説です。

左利きの人は右にあるものは右手で取り、左にあるものは左手でとる。

人によるし状況によるやろ…

何かしらの根拠があるならまだしも、仮説(というより想像)から論理を組み立てているのがおかしいです。

Amazonレビューを見てみよう

ここまで散々酷評してきましたが、本書はなんとAmazonベストセラー。
レビュー数は2022年4月時点で約500あり総合評価は★4

左利きが自分の優位性を確認したくてこぞってジャケ買いした結果のベストセラーだと思っていましたが、評価もそこそこいいんですよね。

レビュー内容によっては、私の考えがズレている可能性もありますので、見ていきましょう。

Amazonレビュー(低評価)

きわめて個人の感想に基づいた自己啓発本
期待値の話かもしれませんが、もっとエビデンスやファクトに基づいた見解の話かと期待して購入しました。
作者自身の経験に基づいた成功体験談(自慢?)と、それに伴う自己啓発的な内容です。

自分も左利きなので、「これは確かに身に覚えがある」点もなくもないのですが、根拠も示されていないので、「血液型の診断がなんとなくあてはまる」と同じくらいの信頼感です。

これはこういう与太話として読めばいいんだと思いますが、評価欄が☆5をつけている人があまりに多くてびっくり。高いレーティングと、「1万人の脳を見た医者」という情報にミスリードされて、「左利きに関するサイエンティフィックな内容の本」だと思って、うっかり買ってしまったわけですが、私のような感想を持つ人もいるということも一部の方にはお知らせしたいなと思いレビュー投稿です。

まさにコレです。
言いたいことを端的にレビューにまとめてくれていました。

定量的でなく感覚的な表現が多く、意味をつかみにくい。
ラジオを聞くとよいなど具体例はあるものの、やはりその効果については感覚的な表現に終止し実践する意欲は湧かない。

もっと医学的・科学的なエビデンスに基づいたデータをもとにした話を期待してたからギャップが大きかった。左利きの著者は、極めて優れていると自画自賛しながら、自身の若かりし頃にしたことを書かられた自叙伝のような感じだと割り切って読むことをオススメしたい

低評価の理由はやはり、根拠がないの一言に尽きるようです。

まったく同感です。

Amazonレビュー(高評価)

続いて高評価のレビューです。この本を高く評価する人がどんな人なのかとても興味があります。

左利きはみな読むべき!びっくり面白くて一気読み。
タイトルを見て私のための本だと感じて予約・購入しました。
これまでの人生で感じていた苦手なこと(例えば集団で意見を交わしたり、指名されて感じた事を発表したりすること、今すぐ何か言わなければならないなど)がなぜ苦手だったのかが初めて分かったのです。
左利きはアイデンティティだとは分かっていたし左利きの自分が好きなのですが、私は自分自身を最大限に活かせていないと感じていたため、これまで困っていたことが左利きとしての脳の使い方が関わっていたのだとわかったことと、左利きを前面肯定されてうれしいこともあり、本当に読んでよかったです。
左利きがどのような脳の使い方をすれば最大限に能力を発揮できるかも書かれており、もっと深く知りたいとさらに興味が湧きました。先生の著書は、脳の強化書に続き二冊目ですが、他にも読んでみたいです。

なんか嬉しいかな
もともと左ききでした。
 子供のころ、食事抜きや暴言暴力をうけながら右利きに矯正させられました。(今なら児童虐待ですね)
 「左ききに自信を持っていいんだ」と嬉しくなりました。

左利きの人は一度読んだほうがいい本
小さな頃から苦痛に感じていたことの理由がわかった。
逆になんとなく得意な気がしていたところも確信が持てるようになりました。

多くの人が簡単に出来ることが左利きの人には苦手だったりしますが、それと同時に右利きの人が左利きの人には当たり前に見える意外なことが苦手であることも分かり、自信が持てるようになりました。

高評価の人は左利きにコンプレックスを持っている人が多いですね。

これはなるほどと思いました。

「左利きはコンプレックスを抱えている」を前提に語られる本書ですから、コンプレックスを抱えている左利きの人には刺さるのでしょう。

まとめ

内容を全く紹介せずに酷評ばかりで気を悪くされたらすみません。

左利きという自分の希少性を突かれてまんまと買ってしまったのが恥ずかしいです。

左利きは天性のコピーライターである
本書で紹介されていた左利きのすごいところのひとつです。

散々根拠が無いだの、酷評してきましたが、「1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き」

というタイトルを見てまんまと買わされてしまい、ベストセラーになっているわけですから、ある意味で「左利きは天性のコピーライターである」ことが立証されたのかもしれません。


著者が1番伝えたいこと「左利きは左脳を鍛えることで最強になれる」の左脳を鍛える方法など、すぐに実践できてためになる内容もありました。

興味のある方は本書を手に取ってみてはいかがでしょうか?
(メルカリで売れるように紙の本で買うことをおすすめします。)