みなさんも子供の頃に一度は触ったことがあるカエル。
カエルの触り心地を覚えていますか?
ちょっとだけヌルヌルしていますよね?
今日はカエルがなんでヌルヌルしているのか、カエルの驚くべき水分補給能力をご紹介します。
カエルがヌルヌルしている理由
水分を保つため
結論から言いますと、皮膚の水分を保つためです。
さらっとした液体より、ヌルヌルした粘液の方が乾燥しにくいのは想像いただけると思います。
ではなぜ、カエルの皮膚には水分が必要なのでしょうか?
皮膚の粘液の役割
カエルは皮膚呼吸をするために、常に皮膚の水分量を保っています。
もう少し詳しく解説します。
カエルは両生類です。
オタマジャクシの頃は水中で生活し、カエルになると陸で生活するようになります。
生活拠点が変わるにつれて、呼吸法も変わります。
オタマジャクシの水中生活時代はエラ呼吸、カエルになるとエラ呼吸の機能は失われて、陸上で肺呼吸をはじめます。
しかしカエルの肺の作りは原始的なもので、肺呼吸だけで身体に必要な酸素をまかなうことができません。
そのため7割近くは皮膚呼吸によって身体に酸素を供給します。
ここで必要なのが、ヌルヌルの皮膚粘液です。
ヌルヌルした粘液で皮膚の水分量を保つことによって、水の中の酸素を体内に取り込んでいるというわけです。
他にも皮膚呼吸をしている代表的な生き物を見てみると、
・皮膚呼吸のみ行うミミズ
・70%が皮膚呼吸、30%がエラ呼吸のウナギ
どうでしょうか、もれなくヌルヌルしていますよね?
驚くべき水分補給機能
カエルは水を飲みません。
ですが、カエルに限らず私たち人間も、すべての生き物に水は欠かせません。
水を飲まないカエルはどうやって水分補給をしているのでしょうか。
それは、皮膚です。
お腹から脚にかけて、水分補給機能に優れた皮膚(細胞)があります。
この部分の皮膚はカエルの身体の水分調節を担っていて、繁殖期など、身体の水分量が多いときはあまり水分を吸収せず、逆に数日間カエルを乾燥させると水分補給機能が働きはじめ、より多くの水分を吸収するようになります。
要するに、水分が足りているときは吸収せず、足りないときに吸収する、非常に賢い機能がお腹の辺りに備わっているということです。
カエルが腹部を地面につけて座るのは、このお腹の辺りの皮膚を地面に当てて、水分調節をしているからです。
決してただボーッとしているわけではないのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
カエルがヌルヌルしているのは、皮膚呼吸するために身体の表面の水分を保っている。
ということでした。
カエルのヌルヌルひとつとってもたくさんの知らないこと、発見や驚きがあって楽しいですね。
最後に今回の参考文献を載せさせていただきます。
【参考文献】
https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/2/20621/20160528013754307659/poalas_016_008_010.pdf
http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/bulletin/kiyou41/41-13.pdf