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面白い物語の作り方〜大どんでん返し創作法〜

自分で物語を作るなんて考えたこともありませんでしたが、ある日ふと、子供に紙芝居を作って読み聞かせたいと思い立ち、作ってみたんです。

そのタイトルは「ちーちゃんともうこはんくん」

仲良しのもうこはんくんが、ちーちゃんが大きくなるにつれて消えてしまう、悲しい別れのお話を描いてみたのですが

まぁつまらない酷いデキだったのです。

妻からの感想は「なんか泣かせにきてる」とだけ。
娘(3歳)はそれなりに楽しんでくれてましたけど、

物語なんて考えたこともない素人ですから当然といえば当然ですが、話を作るのは難しいのだと痛感しました。

そんな中で出会った一冊がコチラ

面白い物語を作るには〜大どんでん返し創作法〜

世に出ている物語はなぜ面白いのか?

自身もストーリー作家である著者のぴこ山ぴこ蔵氏は、世に出ている物語を読み漁りそれを分析し、ある共通の法則を導き出しました。

それは、面白い物語には必ず大どんでん返しがあること。

そしてどんでん返しには10パターンに分類できること。

つまり、10パターンの作り方さえ覚えれば、それに当てはめるだけで誰でも面白い物語が作れるというわけです。

私は本書を読みながらワクワクがとまらず、早く物語を作りたい衝動に駆られました。

カンタンに内容をまとめてみました。

面白い物語を作るには〜大どんでん返し創作法〜

物語づくりの原則

物語づくりの原則は、主人公の目的と、それに立ちはだかる(障害)を描くことです。

目的がなければ、物語は成り立ちません。
しかし、目的がすんなり達成されてしまってはドラマは生まれません。

目的を邪魔する敵が必要です。

恋愛モノなら好きな人(目的)と、恋敵(敵)
バトルモノなら助けたい人(目的)と、敵のボス(敵)
推理モノなら事件の解決(目的)とトリック(敵)

と言ったところでしょうか。

主人公が障害を乗り越えるときにどんでん返しがあると物語が面白くなります。

どんでん返しは起承転結の「」にあたり、物語は「」から考えます。

どんでん返しの基本構成

どんでん返しとは「Aだと思ったらBだった」のことです。

どんでん返しは長編小説や漫画にだけ必要なものではありません。

昔話や童話にも、どんでん返しが仕掛けられています。

例えばハナサカじいさんのあらすじを思い出してみると

・おじいさんの愛犬ポチがここ掘れワンワンと吠える。
・そこを掘ると小判が出てきてビックリ
・それを見た極悪じいさんはポチを盗み吠えさせる
・吠えたところを掘ってもガラクタしか出なかった
・怒った極悪じいさんはポチを殺してしまう
・ポチを助けに来たおじいさんは死んだポチを抱いて泣きながら家に帰る
・おじいさんはポチの遺灰を山に散骨した
・すると何百本もの桜が一斉に花を咲かせた
・たまたま見ていた殿様がこの様子を見て感激し、おじいさんに大判小判を与えた
・これを見ていた極悪じいさんはよし俺も、と灰を山に撒いた
・灰が殿様の目に入り、無礼なりと怒りを買い極悪じいさんは切り捨てられてしまいました

以上がハナサカじいさんのあらすじです。

この話のどんでん返しはどこでしょうか?

どんでん返しは「Aだと思ったらBだった」のことです。

物語は主人公の目的と敵から成り立ちますので、おじいさんの目的を考えてみましょう。

おじいさんの目的は、盗まれた愛犬ポチの奪還です。
そして敵は極悪じいさんです。

ポチは無惨にも極悪じいさんに殺されてしまいましたが、この物語のどんでん返しは、「死んだと思ったポチの遺灰を散骨したら、見事な花を咲かせた」部分です。

その後は「意外な結末」によって敵である極悪じいさんが切り捨てられ、めでたしめでたしとなるわけです。

ここまで、物語づくりの原則をまとめると

物語づくりの原則

◯主人公の目的とそれを阻む敵を描くこと。
◯どんでん返し「Aだと思ったらBだった」を描くこと。


事項でどんでん返しの作り方を解説します。

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どんでん返しの作り方

ここが本書のサビの部分です。

物語を面白くするためのどんでん返しの作り方を解説します。

物語の原則は主人公の目的と、それを阻む敵がいることでした。

どんでん返しは目的に仕掛けることができます。

・目的に仕掛けるどんでん返しが2パターン

・敵に仕掛けるどんでん返しが8パターン

あります。

目的に仕掛けるどんでん返し

どんでん返しとは「Aだと思ったらBだった」のことです。

目的に仕掛けるどんでん返しは

①死んだと思ったら生きていた
②遠くにあると思ったら近くにあった

大まかにこの2パターンです。

先のハナサカじいさんのお話で、ポチの遺灰が見事な桜を咲かせたシーンは、①パターンに当たります。

死んでなくても、「目的を失ったと思ったら、あった」と読み換えても良いでしょう。

②のパターンは、目的は実は初めから持っていた。
といった話が該当します。

みたことあるような気がしますよね。

敵に仕掛けるどんでん返し

続いてに仕掛けるどんでん返しです。

「敵」と言ってもバトル漫画でやっつける相手だけのことではありません。

ここでいう「敵」とは、主人公の目的を妨害する恐怖の存在のことです。

大事なのは、敵は怖い存在でなくてはならないということです。

敵を3匹のモンスターに例えます。

①ドラキュラ
②狼男
フランケンシュタイン

それぞれのモンスターがどのような恐怖の存在かを考えてみましょう。

①ドラキュラ=外部にいる存在
②狼男=自分の中にいる制御不能な存在
フランケンシュタイン=自分の悪事が生み出した存在

①ドラキュラはそのままです。
外部からやってくる恐怖とは、夜道で急に襲ってくる変態やドラクエに出てくる魔物など、ノーマルに怖い存在です。

②狼男は満月を見ると制御不能に狼に変身してしまうことから、内部にいる恐怖の存在を意味します。

ミステリーでよくある二重人格や、広い意味では自組織内の裏切り者もこれにあたります。

フランケンシュタインは博士が生命倫理を無視して死体のパーツから生み出した怪物です。
よって、自分の悪事が生み出した恐怖の存在を意味します。

この敵は主人公の過去そのものであり、主人公が生み出した恐怖ですので、主人公とはある種の親子関係にあたります。

主人公が過去に犯した罪が発端となり大きな事件に巻き込まれる物語などにフランケンが登場します。

ここで重要なのは、悪事を働いた当時の主人公に悪意があったということです。
自分が悪事を認識していない場合は、フランケンにはなり得ません。


3匹のモンスターが登場したところで、もう一度どんでん返しの基本構成をおさらいします。

「Aだと思ったらBだった」

がどんでん返しの基本です。

ここに3匹のモンスターを当てはめます。

例えば、「ドラキュラだと思ったら狼男だった」となれば

・探偵は犯人を必死で探していたが、本当は探偵の中にいるもう一つの人格が犯人だった(二重人格)
・敵のボスを追い詰めたが、そいつは自分の組織の人間だった(自組織の裏切り者)

のような話が該当します。

3匹のモンスターをAとBに当てはめるパターンは3×3で9パターンあります。

その中で、AとBに同じモンスターが入る組み合わせがありますので、それは同じパターンとして1つにまとめます。

「Aだと思ったらAだった」パターンですね。

「ドラキュラだと思ったらドラキュラだった」となれば、本当はもっと強い裏ボスがいるような話になりますし、

「狼男だと思ったら狼男だった」となれば、実は自分の中に3人目の人格がいた(三重人格)という話が作れそうです。

3×3の9パターンのうち、「A=A」の同じ組み合わせの3パターンを一つにまとめると、計8パターンとなります。

これが敵に仕掛けるどんでん返しの8パターンです。


どんでん返しの作り方まとめ

◯「Aだと思ったらBだった」が基本
◯敵は恐怖の対象であること
◯AとBに3匹のモンスターを当てはめる
・ドラキュラは外部にいる存在
・狼男は自分の中にいる制御不能な存在
フランケンシュタインは自分の悪事が生み出した存在

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クライマックスの作り方

物語の目的と、最大の盛り上がりどころであるどんでん返しの作り方がわかったところで、次は物語の終わらせ方(クライマックスの作り方)をお伝えします。

意外な結末で締める

どんでん返しはクライマックスへの序章です。

「Aだと思ったらBだった」でビックリした後は一気にクライマックスへ突入します。

最後は「意外な結末」で、読者をスッキリさせてください。

ハナサカじいさんの例でいうと

灰が殿様の目に入り、無礼なりと怒りを買い極悪じいさんは切り捨てられてしまいました

ここが意外な結末です。

死んだはずのポチが見事な桜になって蘇ったどんでん返しの後は、敵である極悪じいさんが殿様に切られるという意外な結末によって、読者はスッキリと終われるわけです。

意外な結末を作る上で意識することは、これまでの問題をすべて解決するサプライズを考えることです。


意外な結末まとめ

◯すべての問題を解決する最後のサプライズ
◯意外な結末が読者に満足感をあたえる


意外な結末を作る上では、「切り札」というテクニックが用いられます。

しかし、切り札の解説は本書にはなく、本書に記載されているYouTubeの限定公開リンクから見られるようになっています。

残念ながらブログに書くことはできませんが、著者の講習会の10分弱の切り抜き動画で、ストーリー作家はこんなにも計算づくで読者を感動させているのかと衝撃を受けました。

ときかく作りまくれ

シンプルですが最も重要な一文を引用します。

とにかくあらすじを作りまくることじゃ! 一日一あらすじ!

とにかくあらすじを作りまくれ!

本書の理論を無意識に操れるようになるまで、とにかく実践あるのみです。


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おわりに

いかがでしたでしょうか。

世に出ている面白い物語が、どのように作られているのかを知り、私はドラマや小説の見方が変わりました。

記事に入りませんでしたが、敵のストーリーの作り方、主人公の成長の描き方、伏線と平行線の作り方など、重要なエッセンスはまだまだ詰まっています。

興味があればぜひ手に取ってみてください!