モノの値段はどんどん上がっているのに給料が上がらないから生活は苦しくなるばかり、私たちの給料は上がるの?
そんなギモンにお答えします。
2022年11月現在、歴史的な円安と原材料価格の高騰によって、モノの値段がどんどん上がっています。
下のグラフは消費者物価指数という指数のグラフで、モノやサービスの値段がどのくらい上がっているかが分かるものです。
9月の消費者物価指数 3%上昇 消費増税影響除けば31年ぶり水準 | NHK | 物価高騰
2021年以降、急激に上がり続けているわね
今年だけで3%も上がってる。給料は1%も上がってないのに・・・
これじゃお金が減っていくばかりじゃない!
・そもそも給料はどうやって決まるのか
・政府の賃上げ政策は
・私たちはどう行動すべきか
そもそも給料はどうやってきまるのか
給料は会社が決める
当たり前ですが、私たちの給料は会社の社長が決めています。
では、時給100円でも良いのでしょうか。
そうではありません。
「最低賃金法」という法律があり、企業は最低賃金法で決められた金額以上の給料を支払わなければなりません。
最低賃金法は、正社員・パート・アルバイトといった雇用形態に関わらず、すべての労働者に適用されます。
公務員の給料は民間企業に合わせている
では、公務員の給料はどうでしょうか。
国や都道府県などの自治体の職員である公務員の給料は、私たち国民が納める税金から支払われます。
支払われる金額は、民間企業と同じ水準にすることが決められています。
そして、国家公務員の給料を決めているのは人事院という組織です。
人事院は毎年、民間企業の給料を調査し、それと比較して国家公務員の給料を決め、給与勧告を行います。
今年2022年の人事院勧告では、3年ぶりに国家公務員の給料がアップとなりました。
民間企業の給料の調査方法は、以下の資料でくわしく説明されています。
https://www.jinji.go.jp/kyuuyo/index_pdf/minn_jittai.pdf
地方公務員も、この人事院勧告を基準にして各自治体で検討され、給与が決まります。
つまり、民間企業の給料が上がらないと公務員の給料も上がらないということです。
公務員だけ高い給料をもらってズルい。ということにはならないわけね。
そうすると結局、給料は会社の社長が決めているってことじゃない?会社の社長が決めることに政府がどうやって介入するのよ!
そうだね、次は政府の賃上げ政策を見ていくよ
政府の賃上げ政策
3つの賃上げ政策
👉最低賃金アップ
👉賃上げ促進税制の導入
👉公的価格の見直し
最低賃金アップ
最低賃金法で定められた最低賃金は、人が働く上で保障された最低金額です。
最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の二種類があり、雇い主は二つの内の高い方を、最低賃金として支払う必要があります。
政府はこの内の「地域別最低賃金」を、全国加重平均で31円と過去最高の上げ幅でアップしました。
全国加重平均とは、地域ごとに重みづけをして算出した平均値のことです。
都道府県ごとに最低賃金が違い、上げ幅も異なるのでこのような計算をしています。
時給が30円くらい上がったってことだね。
2022年10月に改定された新しい地域別の最低賃金は以下のとおりです。
最低賃金とは 2022年度の改定いつから?各都道府県別の最低賃金も紹介 | ツギノジダイ
すでに最低賃金以上のお金をもらっている人はどうなるの?やっぱり社長にお願いするしかないの?
そうだね、だから政府は企業が給料を上げやすい環境を整えようとしているよ
賃上げ促進税制の導入
令和4年4月1日から賃上げ促進税制が導入されました。
簡単に説明すると、「社員の給料をアップした会社は、国に納める税金を安くしてあげるよ」という制度です。
具体的には、大企業が社員の給料やボーナスを前年度より3%以上増やした場合、増加した賃金の15%が法人税から控除されます。4%増やした場合は控除率を25%に拡大、更に教育訓練費を20%増やした場合は控除率を5%上乗せし、最大30%の法人税控除が受けられます。
賃上げ税制とは?令和4年度税制改正による変更点やメリットをわかりやすく解説! | クラウド会計ソフト マネーフォワード
中小企業は大企業よりも控除の条件は緩く、控除率は高く設定されています。
賃上げ税制とは?令和4年度税制改正による変更点やメリットをわかりやすく解説! | クラウド会計ソフト マネーフォワード
これで本当に会社は給料を上げてくれるの?
うーん、それはどうだろう
法人税は企業の利益に対してかかる税金なので、そもそも赤字の会社には法人税がかかりません。
コロナ禍で企業の経営自体が厳しい中で、法人税の控除では賃上げに繋がらないという声も多く見られます。
現実問題、儲かっていない会社は賃上げが難しそうだね
公的価格の引き上げ
最後に公的価格の引き上げです。
公的価格とは、国が価格を決めているサービスのことです。
具体的には、看護、保育、介護などが該当します。
(看護なら診療報酬、保育は保育料、介護は介護報酬)
これらの公的価格は国が定めており、会社が勝手に決めることはできません。
公的サービスを提供する法人は、公的価格で決められたお金を受け取り、その中から職員の給与を支払っています。
そのため、会社独自で利益を上げる手段が少なく、公的価格が上がらないことには職員の給与を上げたくても上げられないわけです。
特に保育士や介護職員の給与が低いことは以前から問題視されていたため、今回政府は看護師、保育士、介護士の給与引き上げを行いました。
引き上げ額は、保育士と介護士が収入の3%程度、看護師は一部が収入の1%程度引き上げられました。
少し細かい話をすると、今回の賃上げは補正予算から支出されました。
ですので2022年11月の現時点では、公的価格そのものが上がったわけではありません。
公的価格そのもののアップは現在、政府が取り組んでいるところです。
保育士さんの給料が上がるのはいいけど、保育料も上がるの?
政府は国民の負担にはならないように公的価格を上げると言っているよ
首相官邸の分配戦略サイトに詳しい説明が記載されています。
分配戦略 | 首相官邸ホームページ
私たちはどうするべきか
会社員として働く以上、会社が決めた給料を受け取ることしかできません。
労働組合に入って賃上げを巡って会社と闘う手はありますが、それでも賃上げするかどうかは会社次第ですよね。
先行きの見えない現代で豊かに生きるためには、自分でかしこくお金をやりくりしていくしかないと思います。
最後に、お金のノウハウがまとめられたおススメ本を紹介します。
支出を減らして、副業で稼ぎ、投資で増やすためのノウハウが、とても分かりやすくまとめられていておススメの本です。
特に、支出を減らす編では、実践すれば誰でもすぐに数万円の支出削減ができる内容になっていて、私と妻も本のとおりに実践して月3万円以上の支出を減らすことができました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
※本ブログは分かりやすく伝えるために、細かい点を省略したり、簡潔に言い換えたりしていますので、正確な表現ではない場合があります。ご了承ください。