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月9ドラマPICU(小児集中治療室)で描かれる北海道医療の課題は現実なのか

PICU面白かったね。でも北海道の子供たちに十分な医療が行き届いていないのは現実なのかな?

このギモンを調べてみました。

✅この記事の内容

・PICU(小児集中治療室)のあらすじ
・ドラマで描かれる北海道医療の課題
・北海道医療の課題は現実なのか

PICU(小児集中治療室)のあらすじ


北海道にPICUを!小児科医・武四郎(吉沢亮)の闘いが始まる!<『PICU』第1話完全版> - フジテレビュー!!

PICUのあらすじはフジテレビサイトから引用します。

PICUとはPediatric Intensive Care Unitの略称で小児専門の集中治療室のこと。高度かつ集中した治療が必要とされるおよそ15歳以下の子どもを対象にした、いわば“子どものためのICU”です。

今作の舞台は、雄大な自然、広い空、そして、地平線が果てしなく広がる北の大地・北海道。人々を魅了してやまない美しい大地である一方、広大すぎるがゆえに搬送までに長時間を要することも少なくなく、刻一刻を争う急患の子どもたちにとっては残酷な土地でもあります。この物語は、「大規模なPICUの運営は極めて困難」と言われてきた北海道で、駆け出しの小児科医が先輩医師と共に、どんな子どもでも受け入れられるPICUを作るため、そして、1秒でも早くPICUに搬送できる医療用ジェット機の運用を可能にするために奔走する姿を描く感涙必至のメディカル・ヒューマンドラマです。

PICU | イントロダクション - フジテレビ

ドラマで描かれる北海道医療の課題

✅北海道医療の課題

・救急車の到着が遅い
・PICUがない(足りない)
・ドクタージェットがない(足りない)

ドラマの冒頭、人気子役の星野沙羅ちゃん(諏訪結衣)が北海道で撮影中に体調を崩し、現地スタッフの車で病院まで搬送することに。

沙羅ちゃんの母親が「やっぱり救急車の方がよかったですかね。」と聞くと、「あ~ でも 結局ロケ先に来てもらうのに倍、時間がかかるんですよ。」との一幕がありました。

結果的に、沙羅ちゃんは病院への搬送が遅れたせいで亡くなってしまいました。


また別のとある日、丘珠病院PICUで働くしこちゃん先生の元に女児が搬送されます。

かかりつけ医からはよくある胃腸炎と診断されていた鏡花ちゃんは、急性腹症を起こし、搬送先を探してすでに4時間も待機していました。

既に処置の施しようがなく、鏡花ちゃんは亡くなってしまいました。

安田顕演じる植野先生は、

「我々にできることはなかった。PICUがここにあると北海道中に周知されていれば、4時間の待機時間も消え、もしジェット機が運用されていれば最短45分でこの病院に到着したはずだ」

と振り返るシーンがありました。

このことから、

救急車の到着が遅いこと

PICUがない(足りない)こと

ドクタージェットがない(足りない)こと

この3点が北海道の医療課題として問題提起されているようです。

美瑛町議員が激怒


青田ともふみ公式ホームページ - 町政に活力を!まちづくりに希望を!

沙羅ちゃんを美瑛町から病院へ搬送する際に、「救急車を呼ぶと倍時間がかかる」と描写されていたことを受けて、

美瑛のイメージを損ねると、美瑛町町議会議員の青田ともふみさんが自身のブログで抗議の内容を投稿しておりました。(実際にフジテレビに抗議の連絡があったとか)

ブログに書かれた抗議文を一部引用します。

たしかに、美瑛町 に小児科はありません(病院とクリニックあり)が、「小児医療における重症救急患者の診療体制を確保・維持」のために、旭川市との連携もあり、ドクターヘリでの救急搬送含めて相応の体制があります。

決して子供たちの命を守る医療体制がない町ではない❗️

昨日の月9「PICU小児集中治療室」について。 - 青田ともふみ(アオタトモフミ) | 選挙ドットコム

小児科はなくとも市との連携で子供たちを守る体制はあるとのこと。

救急医療の体制がしっかりしているのであれば、確かにドラマの描写は美瑛町のイメージを損ねることにもなりかねません。

そもそもドラマはフィクションですから、テレビ局に電話をしてまで抗議しなくてもよいのではないかと思いますが・・・

北海道医療の課題は現実なのか

では、これらの課題は現実なのかを調べてみました。

ドラマで描かれる北海道医療の課題おさらいです。

✅北海道医療の課題

・救急車の到着が遅い
・PICUがない(足りない)
・ドクタージェットがない(足りない)



北海道の救急車の到着時間はむしろ早い方

消防庁が公開している令和2年度の救急現況から、都道府県別の救急車の平均到着時間ワースト5位までを抜粋しました。

順位 都道府県 平均
47位 東京都 10.5分
45位 福島県 9.7分
45位 宮崎県 9.7分
44位 佐賀県 9.6分
43位 岩手県 9.5分
・・・ ・・・ ・・・
8位 北海道 8.0分

https://www.fdma.go.jp/publication/rescue/items/kkkg_r02_01_kyukyu.pdf

救急車の到着が最も遅いのは47位の東京都でした。

以下、到着が遅い順に(45位)福島・宮崎、(44位)佐賀、(43位)岩手と並び、北海道は8位と全国トップ10に入るほど、救急車の到着が早い都道府県でした。

東京は人が多いから遅いのかな。土地が広いのに北海道が早いのは意外ね。

データ上は、北海道は救急車の到着が遅い都道府県ではないという結果でした。

とは言え、広大な土地で到着が遅くなる地域があるのも事実なのだと思います。

PICUは全国的に少ない

小児のための集中治療室であるPICUですが、全国に35施設しかありません。

そして35の内の1施設は、北海道にあります。


小児集中治療室 (Pediatric Intensive Care Unit)|日本集中治療医学会


ですので、PICUが少ないのは北海道だけの課題ではありません。

PICUが小児医療に必須なのであれば、日本の医療課題と言えそうです。

北海道にドクタージェットはある

北海道では、道民が分け隔てなく医療を受けられるように、平成29年からドクタージェットが配備されておりました。
北海道患者搬送固定翼機(メディカルウイング)運航事業について - 保健福祉部地域医療推進局地域医療課


ドクターヘリもあります。

ドラマで語られる「丘珠病院にドクタージェットを・・・」は、丘珠病院(架空)特有の課題と言えるでしょう。

まとめ

ドラマPICUで語られる北海道の医療課題は現実の問題なのか。

その答えはあくまでフィクションが結論です。

とは言え広大な土地を持つ北海道では、救急車の到着が遅い場所があることは事実でしょうし、

そのような地域に住む子供たちが救急医療を受けられない悲しい現実があるのだとしたら、見過ごせません。

日本はPICUの整備が遅れている国との指摘もあります。

子供たちを守るためのPICUの拡充は日本全体の医療課題なのかもしれません。

PICUをもっと増やして、子供たちが安心して暮らせる国にしてほしいですね。