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東大思考〜東大生と普通の人の違いは何か〜

東大生と普通の人の違いは何なのでしょうか?

記憶力?勉強量?そもそも頭の作りがちがう?

そうではありません。

考え方が違うだけなのだと東大思考の著者である西岡壱成さんは言います。

著者は高3時点で偏差値35、勉強しても偏差値が上がらないことに悩んでいました。

そこで周りの東大生と話をしたり、ノートを見せてもらったりして、東大生の思考法を徹底的に真似しました。

そして、二浪の末、東大模試4位の成績で見事東大に合格しました。

そんな、普通の人から東大生になった著者は、東大生の思考法は誰でも真似できると言っております。

今日の参考文献はこちらです。


今回は本書の概要を紹介します。

5つの思考法

東大思考には5つの思考法があります。

この思考法を実践することで、物事を本質から理解し、暗記しなくてもどんどん物事を覚えられるようになります。

5つの思考法

○原因思考
○上流思考
○目的思考
○裏側思考
○本質思考

それぞれ解説します。

「そもそもなんで」を考える原因思考

身の回りにあることは全て「結果」です。

北朝鮮がミサイルを飛ばしました。

・バスに放置された園児が亡くなりました。

ニュースでは結果しか報道されません。

結果を当たり前と捉えずに「なぜ」を考えるのが原因思考です。


たとえば、1853年にペリーが来航しました。

これも結果でしかありません。

多くの受験生は語呂合わせで覚えようとしますが、東大生は「なぜ」を考えます。

→なぜペリーは来航したのか

→なぜ1853年だったのか

1853年という年代の背景を調べてみると、翌年の1854年にヨーロッパでクリミア戦争という大きな戦争が起きていたことがわかります。

当時、日本を開国させたい国は多かったと思いますが、ヨーロッパの緊張が高まっている中でアメリカは、「今なら誰にも邪魔されずに日本を攻めることができるかもしれない」と思ったのかもしれないと推測することができます。

他にもペリーが来航した理由はさまざまな要因が重なっていると言われていますが、大切なのは「なぜ」を考えることです。

「なぜ」の答えは、合っていなくてもいい、ある意味いい加減でも良いのです。

大切なのは「なぜ」を考えて、自分の中で納得のいく答えを出すことです。

一見、回り道に思えますが、いろいろな事柄を関連づけて覚えることができるので、丸暗記しなくてもたくさんのことを覚えることができます。

原因思考まとめ

○目に見える情報は全て結果である
○そもそも何でを考える
○丸暗記しなくてもたくさんのことを関連づけて覚えられる



「要するに」と一言でまとめる上流思考

東大生は「要するに」とまとめるのがとても上手いです。

上流思考を鍛えることで、たくさんある情報の中から何が重要かをすぐに見つけることができます。

「ペリー来航って要するに何だったの?」

こう聞かれたときに、「1853年にペリーが来航しました。」だけを覚えていても、結局それはなんなの?と言われてしまうでしょう。

つまり、「要するに」を説明するためには、その物事の背景や上流を知っていなければならないのです。

原因思考で「そもそもなんで?」を調べた後は、上流思考で「要するに」とまとめて説明する訓練をしましょう。

上流思考まとめ

○物事の背景や上流を考えることで、「要するに」とまとめた説明ができるようになる



「なんのために」を考える目的思考

自分の目的を達成するために目的思考を鍛えます。

目的思考はあらゆる場面で使われます。

・プレゼンテーションで商品を売りたい
・志望校に合格したい
・好きな人に自分のことをわかってほしい

説明力と目的思考

プレゼンテーションを例に目的思考を解説します。

プレゼンをするときや、相手に何かを説明するときに必ず考えなければならないのが、自分は相手に何を伝えたいのか、そして相手にどうして欲しいのかです。

当たり前のことに思えますが、プレゼン資料の体裁ばかり整えたり、発声練習をしてみたり、手段ばかりを工夫して目的が見えなくなってしまう人は意外と多いのではないでしょうか?

商品のプレゼンテーションであれば、当然目的は商品を売ることです。

目的が定まったら、それを聞き手にどう伝えるかを考えます。

説明の極意は、聞き手が知っていること「既知の情報」と、話し手が伝えたいこと「未知の情報」を結びつけることです。

スティーブ・ジョブズiPhoneのプレゼンをしたときに、冒頭で「これは携帯電話です。」と言いました。

iPhoneは電話機能を備えていますが、電話だけでなく、パソコンと同じくらい色々なことができますよね。

その作りや機能から見ても、iPhoneは小さなパソコンなのです。

それでもジョブズが「これは超小型パソコンです。」と言わなかったのは、聞き手の「既知の情報」とiPhoneを結びつけて、商品を売るという目的を果たすためです。

もし、「これは超小型パソコンです」と言っていたら、「なんで小さくする必要があるんだ?」とか、「パソコン持ってないから聞かなくていいや」という人がいたでしょう。

みんなが持っている携帯電話とiPhoneを結びつけることで、聞き手にこれから伝えるiPhoneのスゴい機能(未知の情報)を受け取る準備をさせたわけです。

ポイントは、聞き手がすでに持っている知識を使って、自分が伝えたい目的を伝えるということです。

このとき、聞き手は愚かだと思っておきましょう。

馬鹿にするわけではないですが、自分が期待するほど、そもそも聞き手に知識がないことがほとんどです。

聞き手は何も知らないと思っていた方が、より丁寧な説明ができるようになります。

東大生の目標設定

東大生は目標の立て方も非常に明確です。

受験勉強をはじめるとき、いきなり参考書を買って解きはじめる人いますよね。(僕はこれでした。)

ただやみくもに問題を解いていても目標達成はできません。

目標設定をする人は、何点取れば合格できるかを考えて、合計点で目標を立てるでしょう。

もう少し考えている人は、どの科目で何点という細かい目標を立てるでしょう。

東大生の目標設定はさらに細かいです。

どの設問で何点取るかを考えて目標設定しています。

驚くべきことに、東大生はみんなこれをやっています。

多くの人は目標はフワッとしたままで、手段ばかりを考えています。

今がんばっている勉強は、目的は何なのか、自分はどのくらい目標に届いているのかを定期的に俯瞰して見ることで、目標の達成率が高くなります。


目的思考まとめ

○何のためにを考える
○相手の既知を利用して未知を伝える

新しい発想が湧く裏側思考

「何でそんなすごいアイデアが湧くの?」という人になるには、裏側思考を使うことで、普通では思いつかない発想が湧くようになります。

普段目にする情報は全て表側の情報です。

それらの情報を「否定的に」見ることで、確証バイアスを避けて裏側を見ることができます。

具体的なやり方は、反対の立場の人だったらどうかを考えることです。

これはディベートと同じです。

「あなたは原発の再稼働に賛成ですか?反対ですか?」という議題があったとします。

ディベートでは、本人の意思に関わらず賛成派と反対派に分けて、それぞれが与えられた派閥の視点に立って意見を主張します。

これが「否定的に物事を見る」ということで、ディベートの本質は理解を深めることです。

理解を深めるための視点はさらに細かく分けると

・賛成or反対
・楽観or悲観
・急進or穏健
・部分賛成or部分反対
・折衷派

などいろいろな視点があります。

自分の中であらゆる視点に立って考えて、最後に自分の考え(結論)を出すことで、より良いアイデアが出せるようになります。

会議で反対の意見を言うのが苦手な人は多いと思いますが、東大生は「意見がないようなので、反対ではないけど、あえて反対派に立って意見するね」といった具合に、わざと視点を変えて発言する人が多いらしいです。


裏側思考まとめ

○普段目にする情報は表側の情報
○物事を否定的に見ると裏側が見える
○いろんな立場の人になって考えると新しいアイデアが湧く



問題を解決するための本質思考

ここまで4つの思考法を解説しましたが、これらの思考法を使う目的は、物事の本質を理解してこれからの人生、社会で起きるあらゆる問題を解決をすることです。

そのための思考法が本質思考です。

東大入試では本質を問う問題が多く出題されます。

物事を本質から理解して問題解決できる人材を、東大が欲しているからです。

東大入試の地理の過去問を見てみましょう。

本書から引用します。

成田空港から北京や上海に向かう航空便の利用者数は、過去10年間に増加してきている。その理由を60字以内で述べよ。
〈2005年 東大地理 第3問A問題より抜粋。一部改変〉

この問題の1番のポイントは、「過去10年間」というワードです。

→2005年の10年前は1995年です。

→航空便の利用者が増加しているということは、日本から中国へ行く人が増えたということ。

→10年前に中国や日本で起きた出来事はなんだろうか?

と考えていきます。

・中国では10年前から改革開放政策が進展していたんだった
・2001年に中国はWTO(世界貿易機構)に加盟しているよな

→「改革開放・WTOの加盟で、中国への観光客が増えたんじゃないかな!」

このように日頃から原因思考、上流思考を鍛えて、物事をつなげて覚えていることで、問題を推理して解決できるようになります。

ミクロとマクロ

「ミクロな視点」と「マクロな視点」

「ミクロな視点」とは、物事を細かく細分化して小さな視点で見ることです。

「マクロな視点」とは逆に、物事を俯瞰して広い視点で見ることです。

頭のいい人とそうでない人の違いは、このミクロとマクロを行ったり来たりする努力をしているかどうか。

これだけです。

これまで説明した4つの思考法は、実はミクロとマクロを行ったり来たりするための思考法なのです。

・原因思考は物事の原因を細かく突き詰めていく
 「マクロ」→「ミクロ」へ行く思考法
・上流思考は物事の上流を俯瞰してみる
 「ミクロ」→「マクロ」へ行く思考法
・目的思考は目的から手段を考えていく
 「マクロ」→「ミクロ」へ行く思考法
・裏側思考はさまざまな視点に立って物事を考える
 「ミクロ」→「マクロ」へ行く思考法

これらを駆使してあらゆる問題解決をするための思考法が本質思考であり、本書が1番伝えたい内容だと思います。


本質思考まとめ

○人生や社会を生きる上でより良い問題解決をするための思考法
○ミクロとマクロを行ったり来たりすることこそが頭のいい人



感想

最後まで読んでいただきありがとうございました。

本書は私の中で人生を変える一冊になるかも、そのくらい目から鱗な内容でした。

本書を読んでから、新聞を読むときも「何でそうなんだろう」とか「反対側の立場だったらどう思うかな」とかを考えるようになって、あらゆる物事の理解が一層深まるようになったと感じています。

東大を目指す方に有用な本であることは間違いないと思いますが、それよりも、子供を育てる大人が読むべき本だと思います。

自分自身がこの思考法を実践して、子供と接する中で、物事の本質を捉える考え方を教えてあげたいなと思いました。

本書にはまだまだためになる情報が詰まっていますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。